個人再生のメリットとデメリット
「個人再生には破産や任意整理と比べてどんなメリット、デメリットがあるの?」 個人再生のメリットとデメリットを以下のとおりです。
個人再生のメリット
■ 個人再生では、「住宅ローン特則」を利用することによって、自宅を失うことなく、借金を整理することができます(この点で、破産手続きと大きく異なります)。
■ 他の手続きと同様、借金の取り立てが止まります。また、個人再生の手続が完了(再生計画の認可)まで住宅ローン以外の債務を返済する必要がなくなります。ただし、個人再生の手続中には「本当に計画通りに返済できるか」を裁判所が確認するために、返済資金の積み立てをしてもらうことになります(「履行テスト」と呼ばれています)。
■ 利息制限法に基づく引き直し計算を行います。過去の取引の中で利息を支払い過ぎている場合には、この引き直し計算をすることにより、残元本が減ることになります。
■ 上記の引き直し計算によって減額された元本を、更に減額します。最大で5分の1程度にまで減額できる可能性があります。借入金を大幅に減額できる可能性があるため、自己破産をしないでも借金を完済できる可能性が高くなります。
ただし、上記の「元本の5分の1」に当たる金額が、「100万円」よりも少ない場合は、「100万円」までしか減額されません。
■ 違法な金利で貸付をしていた消費者金融やカード会社等に対しては、過払い金の返還の請求が可能な場合もあります。
■ 自己破産とは異なり、自己再生をしても「一定の職業に就けなくなる」という不利益はありません。
個人再生のデメリット
■ 信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録されます。
登録されると、7年程度の期間は、新たに借り入れをすることやクレジットカードを利用することが出来なくなります(これは、任意整理や自己破産をした場合も同様です)。
これは考えようによっては、「借金やクレジットカードに頼らない生活習慣を作り上げることができる」というメリットでもあります。
また、上記の期間を経過すれば新たな借り入れやクレジットカードを利用することが出来ます。
なお、上記の期間中であっても、銀行のキャッシュカードは作れますし、金融機関からの振込み、引き落とし等は通常通り行うことができます。
■ 国が発行している「官報」という紙面に、住所氏名等が掲載されます。
ただし、一般の人が官報を見ることはまずないため、他人に知られてしまう可能性はそこまで高くありません。
また、官報に掲載される点は、自己破産をした場合も同じです。
他方で、任意整理をした場合には、住所氏名は官報には掲載されません。